これって純米大吟醸?
濃密にして個性的、チョコレートなどの濃い印象を持ち、一度味わうと虜にしてしまう魅惑ワイン。
アパッシメントとはタイトル画像のとおり、
収穫した完熟の葡萄を陰干しして干しぶどう状にしてから絞り作るワインのことです。
もちろん葡萄の水分は蒸発していくので、この陰干しにより元の量の1/3にまで量が減るそうです。
代わりに香りや糖度、味わいは凝縮されていきます。
なかなか贅沢な作り方ですよね。
あれに似てる気がします。
日本酒の純米大吟醸!(酒を酒で例えるのもどうかと・・・)
酒米の中心に近いところを使うとキレイで雑味のない味わいになるので、
純米大吟醸はお米の約半分中心に向かって削りとった小さな米粒からつくられます。
ちょうど獺祭の三割九分が1/3くらいまで削るので近い気が・・・
純米大吟醸もアパッシメント製法のワインも1本作るのに普通よりたくさんの原料が必要になりますね。
高くつくわけだ!
古代最強のインフルエンサー
アパッシメントの歴史は意外に古く、古代ローマ時代からあった製法だそうです。
もちろん、代表的な銘柄のワインもあるのでイタリアが有名ですが、ヨーロッパでは各地に同じような製法があるそうです。
恐るべしローマ帝国のインフルエンサーっぷり!
イタリア高級ワインの「ABC」
さて、では噂の本家イタリアにはどんなアパッシメントのワインがあるんでしょうか?
アパッシメントのワインで伝統的で最も有名ワインは
「アマローネ デッラ ヴァルポリチェラ」
ではないでしょうか。
なんだか舌を噛みそうな名前ですが、
元々その希少性と特殊な製法から王侯貴族のみ口にすることを許された高級ワインだったそうですよ。
だからイタリア高級ワインの「ABC」の1本なんて呼ばれ方もして紹介されてます。
A=アマローネ
B=バローロ
C=キャンティクラシッコ
アマローネはヴェローナの伝統的ワイン
イタリア高級ワインの「A」に当たるアマローネ。
イタリアのヴェローナの伝統的なアパッシメントワインこそアマローネデッラヴァルポリチェラです。
カタカナ多くてもう話ついてきてない方もいるかもですが、ヴェローナはあの
「ロミオとジュリエット」
の舞台なんです。
余談ですが、映画「ジュリエットからの手紙」で知ったのですが、
恋の悩みを聞いてほしい方は、実際にジュリエット宛の手紙が出せます。
そして返事が来るそうですよ。詳しくは調べてみてください^^
【イタリアのオススメアパッシメントワイン】
進化形アパッシメント
元々イタリアのワイン生産者で旅行に行った先のチリの大地に惚れ込んでそのまま移住してしまったというなかなか破天荒な作り手です。
ファレルニアはワイン用の葡萄をほとんど生産していなかった無名のエルキヴァレーを開墾し、世界的に高く評価させるようになった私も大好きな作り手です。
実際日本でお会いしましたがとても実直で紳士的な方でした(破天荒なんて言ってごめんなさい)
彼もルーツであるイタリアのアパッシメントをワイン作りに取り入れてます。
その方法が独特で面白かったです。
本来は収穫した葡萄をすのこのような台にのせ陰干しして乾燥させます。
ここは6000m級の山々が座すアンデス山脈の麓、太平洋から吹く風がアンデスに雪を落とした乾いて冷たい風を畑に届けます。
収穫した葡萄をそのまま枝先にかけ、畑で乾燥させます。
この風が葡萄をよく乾燥させてくれるそうです。
畑の標高も高いので虫や病気が入ってこないそうですよ。つまり畑に薬を使う必要もない。
この土地ならではのテロワールの恵みですよね。
【ファレルニアのアパッシメントワイン】