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香月シャンピニオンズ?

2020年11月25日

先週のボージョレヌーヴォー解禁に追われた一週間が終わり、

激動の12月に入る前(今年はどうかな?)に香月ワインズへ見学に伺いました。

 

香月さんはあいにく、東京の方へ出張に行かれているみたいでした。

代わりにNZでワイン修行から帰って、

さらに香月ワインズで半年ワイン造りの最前線で活躍している

「空飛ぶワインマン」こと杉野くんに対応していただきました。

 

そうそう、コイツに会いに来ました。新顔ならぬ新樽!

 

少し前に赤ワインを樽に詰めたとチラっと知ったので

「これは見に行かねば!」と思い立ったのが今回のきっかけでした。

 

以前の香月ワインズ訪問ブログでも書いていた通り、

「樽で仕込みたい」と話してたので将来的にと思ってたら

意外と近い未来だったので

仕込みたてを見に行きました。

 

ヤツはワインセラーの一等地に席を構えてもらってましたよ。

 

 

新樽に赤ワインが仕込まれてるのを見るのはホントに久しぶり!

2000年にドイツ・ファルツのリンゲンフェルダー家で見学した時以来です。

もう20年になるのか・・・

 

白地の新樽の表面に赤ワインが染み込んでいる姿が

命が吹き込まれたようでなんか好きです。

 

 

樽はフランスのボルドーから購入したバリック樽でした。

228リットル入るそうです。

 

ちなみに内容は6割メルロ、残り4割はドイツの赤ワイン用品種ということです。

 

これから2年間この冷蔵セラーで、ワイナリーの人達があくせく働くのを横目に

ゆっくりと熟成のためにまどろむのでしょう。

 

リリース予定は2022年10月だそうです。

 

樽のニュアンスがどう活きてくるのか楽しみですね。

 

 

樽の後ろには出荷を控えたペティアンズが!?

 

樽に気を取られて気づきませんでしたが、すぐ後ろには見慣れないワインボトルが大量に!?

 

なんと2020年12月4日リリース予定の新ワイン

「プティ プラネット」

というペティアン(微発砲のスパークリングワイン)でした。

 

綾町の葡萄農家様から無農薬の「ブラックオリンピア」という品種の葡萄を仕入れ、無濾過のペティアンに仕込んだそうです。

 

「ブラックオリンピア」って品種が聞き慣れないので

一体どんな品種なのか尋ねたら、

食用で親に巨峰がいる品種で、

国内ではほぼ綾町でしか作ってないとか・・・!

 

さすがにそれは知らんわ!!

 

 

無濾過でリリース

 

瓶詰めされているボトルの中は見事(?)な澱が沈んでいるので、

スパークリングといえばのデゴルジュマン(澱抜き)は

見たこと無いのでいつするのか?と

聞いたらこのままリリースされるそうです。

 

澱は確かに旨味が詰まっています。

フランスでも「シュール・リー」と言って、

すぐに澱を引かず、ひと冬、澱とワインを共に寝かせて

旨味を移す伝統的な技法があります。

 

しかし澱は飲む際の舌触りを悪くする一面もあります。

 

試しに澱を舞わせてもらいました。

かなりきめ細かい澱です。

 

まだ口にしてないので何とも言えませんが、

ここまでミストのように細かい澱なら

日本酒のにごりのように気にならないかもです。

 

瓶を立てるとすぐに混ざりはじめます。

ちょっと振るだけでみるみる混ざっちゃう。

 

クリアな状態を飲みたい場合は飲む3日以上前には

瓶を立てたまま冷蔵庫に保存だそうです。

 しかも抜栓後は瓶内の気圧が変化するので

澱が常に舞った状態になるので、飲めるのは抜栓直後の一瞬!

全集中ですね!!

 

こいつはデリケートだぜ!!

2020PITITE PLANETE(プティ プラネット)

並べるとこんな感じに

 

澱が沈んだものと舞ったものを並べて置くとこんな感じになります。

別の飲み物のようですね。

 

飲み方は

抜栓して上澄みのクリアな味わいを楽しんでから、

抜栓後の瓶内の気圧の変化で澱が舞い始めるので

混ざった旨味のあるにごりも楽しめる

1本で二度おいしいスタイルになっているそうです。

 

823本限定で価格は1本3600円(税別)だそうです。

もうすぐリリースです。店頭にも置きますのでお楽しみに!

 

ラベルが出来たようです。

 

テイスティングノートもいただきました。

 

事前予約はこちらから出来ます

販売開始は2020年12月4日となります。

2020ヴィンテージ白・テイスティング

 

2020ヴィンテージの試飲をさせていただけるということで

まず白を2種類テイスティングさせていただきました。

 

1つ目は路地のシャルドネを仕込んだもの

酸が素晴らしく活きてて骨格のしっかりとした良い白ワインになってました。

香りも青草?ハーブ香を感じたのでソーヴィニオンブラン混ぜたのかなと思いましたが入ってないそうでした。後味にはグレープフルーツのような風味を感じました。

酸が際立って良かったから日中の寒暖差がかなりあったのかな?

 

そして2つ目はなんと!シャルドネ!?

しかもハウス内のものでした。

去年はどちらも混ぜて仕込んだそうですが、今年は分けて仕込んでみたそうです。

面白いことするなあ!

 

こちらのシャルドネはまろやかで柔らかくまるで樽で寝かせたような口当たり、少し澱も混ざった感じから洋梨のようなねっとりとしたニュアンスがありました。

 

以前、イタリアのある生産者のワインがすごく美味しくて樽で寝かせたような柔らかい印象だったので、生産者がちょうど来日した時に聞いたら、樽は使ってないという話を思い出しました。

 

その生産者は安いワインではあまりやらない

セクション収穫という、一度に収穫せず、

完熟度を見ながら何度かに分けて収穫していく

手間のかかる手法をやられていました。

 

香月ワインズでも、前述の路地シャルドネより、

3日遅く収穫されたハウスシャルドネだったから

熟度の違いで似たような感覚を覚えたのかも!!

 

2020ヴィンテージ赤・テイスティング

 

赤は去年の衝撃的な野趣あふれる味わいに比べたら、ややおとなしくエレガントなスタイル。しかしタンニンはきめ細かくしっかりしたものがありました。

 

こうなると別で仕込まれた2年後の樽の赤ワインが気になる。

飲み比べるにも2年後か・・・長い

 

香月シャンピニオンズ

 

帰り際、畑に面白いものがあるというので、少し見学させていただきました。

畑のある列だけ所々に椎茸が生えてる???

 

以前からキノコの菌床を砕いて畑に入れ、土壌改良をしているのは知ってましたが、今年は一部その菌床ブロックを砕かずそのまま植えてみたそうです。

そしたら、その植えたところから椎茸が出てきてました。

 

畑には新しい試みがいっぱい

 

植えられているのは菌床だけでなく試験的に

「ナギナタガヤ」というイネ科の植物も植えたそうです。

 

4月ぐらいには3枚目の写真のように長く伸び倒れて

畑を覆うので日光をふさぎ、雑草が生えるを防ぐ効果があるそうです。

いろいろ考えてるなあ!!

 

とりあえず今回はこんな感じでした。

 

次の訪問は12月のペティアン・リリースか、2月の2020ヴィンテージリリースかな。

 

そしてその次は「ナギナタガヤ」の景色が見れる4月かな(笑)

 

≪余談≫うわさは本当でした

 

少し前に「日本のワイン生産の危機」って情報を仕入れて、

その内容は生産者が増加傾向に対して葡萄の苗木業者が

対応しきれてないとのこと

 

杉野くんに尋ねると、実際そうみたいで、

注文してもなんと一年待ちだそうです。これは深刻だ。